使い終わった割り箸をアップサイクル:簡単組み立てで小物トレイを作る方法
捨てる前に活用する:割り箸でつくる温もりあふれる小物トレイ
飲食店などで提供される使い捨ての割り箸は、便利な一方で大量の木材資源が消費されています。環境への負荷を少しでも減らすため、使用済みの割り箸を捨てる前に別のものに生まれ変わらせる「アップサイクル」のアイデアを提案します。
今回は、使い終わった割り箸を並べて接着するだけで、簡単にできる実用的な小物トレイの作り方をご紹介します。特別な工具はほとんど必要なく、どなたでも手軽に挑戦できるDIYです。完成したトレイは、鍵置き、デスク周りの小物整理、小さな観葉植物の台など、様々な用途に活用できます。木材ならではの温かみがあり、インテリアにも自然になじみます。
必要なもの
このDIYに必要な廃材や材料、工具は以下の通りです。
- 廃材・身の回り品:
- 使い終わった割り箸: 50〜100本程度(トレイのサイズによります)
- 材料:
- 木工用接着剤: 比較的乾燥が早く強力なタイプがおすすめです。
- 紙やすり(任意): 必要に応じて表面を滑らかにするために使用します。目の粗いものと細かいものがあると便利です。
- 塗料またはニス(任意): 耐久性を高めたり、好みの色に仕上げるために使用します。水性塗料や自然由来のニスなど、環境に配慮した選択肢も検討できます。
- 工具:
- カッターナイフまたはクラフトナイフ: 割り箸を切断するために使用します。
- 定規と鉛筆: 寸法を測り、印をつけるために使用します。
- カッターマット: 作業台を傷つけないために使用します。
- クランプまたは重石(任意): 接着時に割り箸を固定するために使用すると、よりきれいに仕上がります。
下準備:割り箸を洗って乾燥させる
使用済みの割り箸は、まずきれいに洗い、しっかりと乾燥させてください。食べ物のカスなどが残っていると、接着不良の原因になったり、カビが発生したりする可能性があります。洗った後は、風通しの良い場所で数日間しっかりと乾燥させることが重要です。急ぐ場合は、天日干しや低温でのオーブン乾燥も可能ですが、焦げ付かないように注意が必要です。
作り方:小物トレイのステップ別手順
ここでは、シンプルな長方形の小物トレイの作り方を説明します。
-
必要な長さに切る: 作りたいトレイの短辺または長辺の長さを決めます。定規で測り、鉛筆で割り箸に印をつけます。カッターマットの上で、カッターナイフを使って印に沿って割り箸を切断します。一度に力を入れすぎず、何度かに分けて切り込みを入れると安全かつきれいに切れます。必要な本数を同じ長さに揃えて切り出します。 (必要に応じて、長さが不揃いな部分を切り落とし、太さを均一にすることもできます。)
-
土台を並べる: 切断した割り箸を、トレイの底面となるように、隙間なく平行に並べます。並べたときに、全体のサイズが作りたいトレイのサイズになるように調整してください。この並べたものがトレイの「すのこ」状の底面になります。
-
補強用の割り箸を接着する: 並べた割り箸がバラバラにならないように、横方向または斜め方向に、補強用の割り箸を接着します。
- 補強用の割り箸は、底面に使用した割り箸の並びに対して垂直、または斜めに数本(例:両端と中央)配置します。
- 補強用の割り箸の長さは、並べた土台の幅に合わせて調整してください。
- 木工用接着剤を、土台の割り箸と補強用の割り箸が接する部分に塗布します。少量ずつ、均一に塗布するのがコツです。
- 接着剤を塗布したら、補強用の割り箸を正確な位置に置き、手で軽く押さえて固定します。
- クランプがあればクランプで挟むか、平らな板などを乗せてその上に重石を置くと、接着がしっかり行われ、歪みを防ぐことができます。
-
乾燥させる: 接着剤が完全に硬化するまで、指定された時間しっかりと乾燥させます。乾燥時間は接着剤の種類によって異なりますので、パッケージの表示を確認してください。乾燥が不十分だと、後で壊れやすくなります。
-
表面を整える(任意): 接着剤が完全に乾いたら、必要に応じて紙やすりで表面を軽く研磨し、ささくれや角を滑らかにしてください。
-
仕上げをする(任意): 耐久性を高めたり、見た目を良くするために、塗料やニスを塗ります。ムラにならないように薄く塗り、乾燥させてから重ね塗りすると、よりきれいに仕上がります。使用する塗料やニスの種類に合わせて、換気を十分に行い、乾燥時間を守ってください。
DIYを成功させるためのポイントと注意点
- 割り箸の材質: 一般的な割り箸には竹製と木製があります。竹製は丈夫で割れにくい傾向があり、木製は加工しやすいという特徴があります。どちらを使用しても制作可能ですが、材質によって切断時の感触や接着剤のなじみ方が若干異なる場合があります。
- 接着剤の量: 接着剤は多すぎるとはみ出して見栄えが悪くなり、少なすぎると強度が不足します。適量を塗布することが重要です。はみ出した場合は、乾く前に濡らした布で拭き取るか、完全に乾いてからカッターなどで削り取ります。
- 平行と直角: 割り箸を並べる際、平行になっているか、補強材を垂直に配置する場合は直角になっているかを確認しながら作業すると、完成品の形が整います。
- 乾燥時間: 接着剤や塗料・ニスの乾燥時間は、気温や湿度によって変化します。パッケージに記載されている時間よりも長めに乾燥させる方が、より丈夫に仕上がります。
環境に配慮した材料について
今回のDIYで使用する接着剤や塗料・ニスを選ぶ際、環境負荷の少ない製品を選択することも可能です。例えば、天然成分を主原料とした木工用接着剤や、VOC(揮発性有機化合物)の排出が少ない水性の塗料やニス、自然塗料などが市販されています。これらの製品を選ぶことで、DIYを楽しみながら、さらに環境に優しい取り組みを実践することができます。
完成品の活用例とアレンジアイデア
完成した小物トレイは、様々な場所で活躍します。
- 玄関: 鍵や印鑑、宅配便用のペンなどを置くスペースに。
- デスク: ペン、クリップ、付箋などの文具整理に。
- リビング: リモコンや眼鏡、アクセサリーの一時置き場に。
- キッチン: スパイスボトルやカトラリーの一時置きに(油汚れや水濡れに注意し、必要なら防水ニスなどで仕上げてください)。
- 観葉植物: 小さな鉢植えの受け皿や台として。
また、以下のようはアレンジも楽しめます。
- サイズや形: 割り箸の長さを変えたり、並べ方を変えたりすることで、正方形や細長いトレイ、複数のトレイを組み合わせたものなど、様々なサイズや形の作品を作ることができます。
- 脚をつける: 角材や別の割り箸を組み合わせて脚をつけると、高さのあるミニテーブルや飾り台としても使えます。
- 装飾: 割り箸を塗装する際に複数の色を使ったり、焼き色をつけたりすることで、デザインの幅が広がります。
まとめ
使い終わった割り箸は、これまで何気なく捨てていたものかもしれません。しかし、少し手を加えるだけで、暮らしの中で役立つ素敵な小物に生まれ変わらせることができます。このDIYを通して、身の回りの廃材に新たな価値を見出し、楽しみながら環境に優しい生活を送るきっかけとなれば幸いです。ぜひ、ご家庭で眠っている割り箸を活用して、世界に一つだけのオリジナル小物トレイを作ってみてください。