靴箱をアップサイクル:デスク周りをすっきり整頓するケーブル収納ボックスの作り方
はじめに
デスクやリビングの家電周りなど、増え続けるケーブル類の扱いに頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。充電ケーブル、電源コード、LANケーブルなど、それらが絡まり合っていると見た目が煩雑なだけでなく、必要なケーブルがすぐに取り出せなかったり、ホコリが溜まりやすかったりします。
市販のケーブル収納グッズもありますが、今回は身近にある「靴箱」と「芯材」を再利用し、機能的で環境にも優しいケーブル収納ボックスをDIYする方法をご紹介します。使わなくなった靴箱が、驚くほど便利で見た目もすっきりとした収納アイテムに生まれ変わります。
このDIYのおすすめポイント
- 手軽な廃材活用: 捨てるはずだった靴箱やトイレットペーパー、ラップの芯などを有効活用できます。
- 整理整頓: ケーブル類をまとめて収納することで、絡まりや埃を防ぎ、見た目をすっきりとさせます。
- カスタマイズ可能: 箱のサイズや装飾を自由に変えられるため、お部屋の雰囲気に合わせたデザインに仕上げられます。
必要なもの
このDIYに必要な材料と工具は以下の通りです。ほとんどがご家庭にあるもの、または身近な店舗で手軽に入手できるものです。
廃材・身の回り品
- 靴箱: 丈夫な厚紙でできたものが適しています。サイズは収納したいケーブルの量に合わせて選びます。
- トイレットペーパーの芯、またはラップの芯: ケーブルを通す穴の筒状部分として使用します。必要な穴の数だけ用意します。芯がない場合は、不要な厚紙を丸めて筒状にして代用することも可能です。
- 不要な厚紙または段ボール片(補強用、任意)
工具・材料
- カッターナイフ: 箱に穴を開けるために使用します。
- カッターマット: 安全に作業するために推奨します。
- 定規
- 鉛筆またはペン
- 接着剤: 紙や厚紙がしっかりと接着できるタイプ。木工用接着剤などが適しています。
- ハサミ
- (必要に応じて)装飾用の材料: 布、リメイクシート、包装紙、塗料など
- (必要に応じて)装飾用の道具: 刷毛、ボンドなど
作り方
それでは、靴箱を使ったケーブル収納ボックスの具体的な作り方を見ていきましょう。
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靴箱の下準備: 使用する靴箱の蓋が必要かどうかを決めます。蓋を閉じて埃が入らないようにしたい場合は、蓋付きで使用します。蓋が邪魔な場合や、頻繁にケーブルの抜き差しをする場合は、蓋を取り外しても構いません。箱が傷んでいる場合は、内側や角を不要な厚紙などで補強すると強度が増します。
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穴の位置決めと印付け: 収納したいケーブルの本数を考慮し、靴箱の側面にケーブルを通すための穴を開ける位置を決めます。鉛筆またはペンで、穴の形を描き込みます。穴の形は、使用する芯の直径よりわずかに小さい円、または同じくらいのサイズの四角にすると、芯が固定しやすくなります。使用する芯に合わせてサイズを調整してください。穴の間隔は、ケーブルの太さや本数に合わせて、十分なスペースを確保するようにします。
(写真や図解の想定:側面に等間隔で円や四角が描かれた箱)
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穴を開ける: カッターマットを敷き、描いた線に沿ってカッターナイフで穴を開けます。カッターは一度に深く切ろうとせず、数回に分けて丁寧に切り込みを入れると、きれいに切り抜くことができます。刃の進行方向に手がないことを常に確認し、十分に注意して作業を行ってください。
(写真や図解の想定:カッターで穴を開けている様子)
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芯材のカットと固定: 用意したトイレットペーパーやラップの芯を、靴箱の奥行きに合わせてハサミでカットします。カットした芯材を、箱の内側から先ほど開けた穴に差し込みます。芯材の外周と穴の縁に接着剤を塗布し、箱の側面と芯材がしっかりと固定されるように接着します。接着剤が乾燥するまで、箱を横にしておくなどして位置がずれないようにします。
(写真や図解の想定:カットした芯材を穴に差し込み接着している様子)
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装飾(任意): 箱の見た目を整えたい場合は、この段階で装飾を行います。箱の外側や内側に布、リメイクシート、包装紙などを貼ったり、水性塗料で色を塗ったりすることで、お部屋のインテリアに馴染むデザインに仕上げることができます。環境に配慮した水性の接着剤や塗料を選ぶと、よりエコフレンドリーなDIYになります。
(写真や図解の想定:箱に布を貼ったり、色を塗ったりしている様子)
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完成: 全ての接着剤が完全に乾いたら、ケーブル収納ボックスの完成です。箱の中に電源タップを入れ、各ケーブルを箱の穴から引き出して接続します。
DIYを成功させるためのポイントと注意点
- 靴箱の選び方: 薄手で柔らかい靴箱よりも、厚手でしっかりとした作りの靴箱を選ぶと、完成したボックスの耐久性が高まります。蓋がぴったり閉まるものだと、埃対策にもなります。
- カッターナイフの扱い: カッターナイフは大変危険な工具です。使用時は必ずカッターマットを使用し、刃の向きや手の位置に十分注意してください。厚紙を切る際は、無理な力を入れず、新しい切れ味の良い刃を使うことで、より安全かつきれいに作業できます。軍手などを着用することも安全対策として有効です。
- 接着剤の選択: 用途に合った接着剤を選び、パッケージの使用方法をよく読んで使用してください。換気をしながら作業することも大切です。環境に配慮した製品として、天然成分由来の接着剤や、VOC(揮発性有機化合物)の含有量が少ない水性タイプの接着剤などが市販されています。
- 穴のサイズと数: 穴は芯材よりわずかに小さい方が、芯材が抜け落ちにくくなります。収納したいケーブルの本数や太さを考慮して、穴の数やサイズを調整してください。
環境配慮について
このDIYは、不要になった靴箱や芯材を再利用することで、廃棄物を減らすことに直接貢献します。これは「アップサイクル」という考え方に基づいた、環境に優しい取り組みの一つです。さらに、装飾に使う塗料や接着剤なども、環境負荷の低い製品を選択することで、より持続可能なDIYを実践できます。水性塗料や、バイオマス由来の接着剤など、環境に配慮された製品が増えていますので、材料選びの際に意識してみてはいかがでしょうか。
完成品の活用例とアレンジ
完成したケーブル収納ボックスは様々な場所で活用できます。
- デスク周り: PCやモニター、充電器などのケーブルをすっきりまとめて、作業スペースを快適にします。
- テレビ周り: ゲーム機やDVDプレーヤーなどのAV機器のケーブル整理に役立ちます。
- 棚の中: 複数の電子機器を収納している棚の中で、ケーブルを隠して見た目をきれいに保ちます。
- 簡易充電ステーション: 箱の中に電源タップを設置し、スマートフォンやタブレットなどの充電ケーブルを穴から出すようにすれば、簡易的な充電ステーションとしても機能します。
また、靴箱のサイズを変えたり、複数の箱を組み合わせたりすることで、様々な場所や用途に合わせた収納システムを作ることも可能です。箱の蓋を工夫して、上に小物を置けるようにしたり、取っ手を付けたりするアレンジも考えられます。
まとめ
今回は、普段なら捨ててしまう靴箱や芯材を使って、実用的で見た目もすっきりするケーブル収納ボックスを作る方法をご紹介しました。廃材を活用することで環境への負荷を減らしつつ、お部屋の片付けにも役立つ、一石二鳥のDIYです。少しの工夫と手間で、身の回りのものが新しい価値を持つ瞬間の楽しさをぜひ体験してみてください。