廃材木材を再利用:卓上スマホスタンドの作り方
はじめに
日常生活で出る廃材や身の回り品を工夫して再利用することは、環境負荷を減らし、持続可能なライフスタイルを実践するための素晴らしい方法の一つです。特に木材の端材は、DIYの材料として非常に有用ですが、使い道がなく捨てられてしまうことも少なくありません。
本記事では、そんな木材の端材を活用して、シンプルで実用的な卓上スマホスタンドを作成する方法をご紹介します。完成したスタンドは、リビングやキッチン、デスク周りなど、様々な場所でスマートフォンを立てておくのに役立ちます。動画視聴やオンライン通話、レシピ確認など、両手を塞がずにスマートフォンを使いたい場面で活躍します。
必要なもの
このDIYに必要な材料と工具は、比較的身近で手に入りやすいものばかりです。
材料
- 木材の端材: 厚み1cm以上、幅5cm程度、長さ15cm程度の端材が2〜3個あると作りやすいです。樹種は問いませんが、柔らかすぎない木材が適しています。
- 木工用ボンド: 一般的なもので構いません。環境に配慮した成分のものを選ぶことも可能です。
- サンドペーパー: 粗目(#100〜#180程度)と細目(#240〜#400程度)があると便利です。
- 必要に応じて: 塗料、ワックス、ニスなど(水性塗料や自然塗料がおすすめです)。
工具
- ノコギリ: 木材をカットするために使用します。一般的な手ノコギリで十分です。
- 定規、鉛筆: カットする位置やサイズを測り、線を引くために使用します。
- クランプまたは洗濯ばさみなど: 接着時に木材を固定するために使用します。
- 必要に応じて: 電動サンダー、電動ドライバー、木材の面取りツールなど。
作り方
ここでは、木材をカットし、角度をつけて接着する基本的なスマホスタンドの作成手順を説明します。
ステップ1:木材の準備とカット
まず、使用する木材の端材を選びます。反りや割れが少ないものが良いでしょう。全体の長さを決めますが、今回は例えば、底面となる部分を長さ約10cm、背もたれとなる部分を長さ約8cmとします。
- 定規と鉛筆を使い、それぞれの長さに木材に線を引きます。
- ノコギリを使って、引いた線に沿って慎重にカットします。カットする際は、木材をしっかりと固定し、焦らず均一な力でノコギリを動かすことが重要です。
- カットした断面が垂直になっているか確認してください。
ステップ2:角度をつける部分の加工
スマートフォンの画面が見やすいように、背もたれ部分に角度をつけます。最も簡単な方法は、背もたれとなる木材の下端を斜めにカットするか、底面となる木材に斜めの溝を掘ることです。ここでは、背もたれの下端を斜めにカットする方法で進めます。
- 背もたれとなる長さ約8cmの木材を用意します。
- 底面と接する側の端に、好みの角度(例えば60度〜70度程度)で線を引きます。鋭角すぎると安定性が損なわれる可能性があるため注意が必要です。
- 引いた線に沿ってノコギリでカットします。斜めカットは少し難しいですが、ゆっくりと木材を回転させながら、刃の角度を一定に保つよう意識してください。
ステップ3:表面の研磨(サンディング)
木材のカット面や表面を滑らかにし、見栄えと手触りを良くします。
- 粗目のサンドペーパー(#100〜#180)を使い、カットした全ての断面と木材の表面の角を軽く研磨します。バリやささくれを取り除くことが目的です。
- 次に、細目のサンドペーパー(#240〜#400)で全体を丁寧に研磨します。表面がつるつるになるまで磨いてください。
- 研磨で出た木くずをブラシなどで綺麗に取り除きます。
ステップ4:組み立て(接着)
カット・研磨した木材を木工用ボンドで接着します。
- 底面となる木材の片端と、斜めカットした背もたれ木材の斜めカット面に木工用ボンドを少量塗布します。塗りすぎるとはみ出して見栄えが悪くなるため注意が必要です。
- 角度を確認しながら、二つの木材を貼り合わせます。
- クランプや洗濯ばさみなどでしっかりと固定します。接着剤が乾燥するまで、取扱説明書に記載された時間を目安に動かさないようにしてください。
ステップ5:仕上げ(オプション)
接着剤が完全に乾燥したら、必要に応じて塗装やワックスがけを行います。
- 木材の色を生かしたい場合は、木材保護用のワックスやニスを塗布します。
- お好みの色にしたい場合は、木材用の塗料を塗布します。環境に配慮した水性塗料や自然塗料は、シンナー臭も少なく安心です。
- 塗料やワックスが完全に乾燥すれば完成です。
DIYを成功させるためのポイントと注意点
- 木材選び: 端材でも、できるだけ反りやひび割れがない、丈夫なものを選びましょう。
- カットの精度: 寸法通りに正確にカットすることが、綺麗に仕上げるための基本です。焦らず慎重に作業してください。
- 研磨の重要性: 手触りが良くなるだけでなく、塗料やワックスのノリも良くなります。丁寧に時間をかけて研磨することをおすすめします。
- 接着の固定: 接着剤が完全に固まるまで、クランプなどでしっかりと固定することが強度を保つ上で非常に重要です。
安全に関する注意喚起
DIY作業を行う際は、安全に十分配慮してください。特にノコギリなどの工具を使用する際は、以下の点に注意しましょう。
- 作業場所を整理し、安定した場所で行ってください。
- ノコギリで木材をカットする際は、必ず木材をしっかりと固定してください。
- 軍手などを着用し、怪我を防ぐようにしてください。
- 電動工具を使用する場合は、取扱説明書をよく読み、安全ゴーグルなどの保護具を着用してください。
環境配慮について
このDIYは木材の端材という廃材を活用していますが、さらに環境負荷を減らすために、使用する副資材にも配慮することができます。
- 接着剤: 環境対応型の木工用ボンドは、ホルムアルデヒドの放散量が少ないなど、健康や環境に配慮された製品です。
- 塗料・ワックス: 自然素材を原料とした塗料やワックス、VOC(揮発性有機化合物)含有量の少ない水性塗料などを選ぶことで、室内空気環境の改善や廃棄時の負荷軽減につながります。
完成品の活用例とアレンジアイデア
完成したシンプルスマホスタンドは、様々な場面で活躍します。
- キッチンで: レシピアプリを見ながら料理をする際に。
- デスクで: オンライン会議中に手元資料を見たり、充電しながら使用したり。
- ベッドサイドで: 目覚まし時計代わりに。
- リビングで: 動画コンテンツを楽しむ際に。
また、基本の形からさらにアレンジを加えることで、機能性やデザイン性を高めることも可能です。
- 底面に滑り止めのゴムシートを貼ることで、より安定させることができます。
- 充電ケーブルを通すための穴を背もたれ部分に開けるアレンジも便利です。
- 木材の色を変えたり、ステンシルで模様を入れたりすることで、オリジナリティあふれる作品になります。
- 複数の木材を組み合わせることで、ペン立て機能などを追加することも考えられます。
まとめ
今回は、身近にある木材の端材を活用して、シンプルで実用的な卓上スマホスタンドを作る方法をご紹介しました。廃材をそのまま捨てるのではなく、少し手を加えることで、日常生活で役立つアイテムに生まれ変わらせることができます。
このDIYを通して、廃材活用の可能性や、ものづくりへの関心を深めていただければ幸いです。ぜひ、お持ちの木材端材で、自分だけのオリジナルスマホスタンド作りに挑戦してみてください。