厚紙と空き箱でDIY:デスクトップを整理するミニ引き出し収納の作り方
はじめに:身近な廃材でデスクを機能的に
デスク周りの小物整理に困ることはありませんか。ペンやクリップ、付箋などの細かなものが散らばりがちで、作業効率が落ちてしまうこともあるでしょう。市販の収納グッズも良いですが、ここでは身近にあるお菓子の空き箱や段ボールの切れ端といった厚紙を活用し、自分だけのオリジナルミニ引き出し収納を作る方法をご紹介します。
このDIYは、捨てるはずだった資源を再利用するアップサイクルの一例です。環境負荷を減らしながら、機能的で見た目にも心地よい収納アイテムを手に入れることができます。基本的な工具で比較的簡単に取り組めますので、ぜひ挑戦してみてください。
このDIYで何ができるのか
完成するのは、小さな引き出しが複数段重なったデスクトップ用の収納ボックスです。引き出しの数を増やしたり、箱のサイズを調整したりすることで、収納したいものの種類や量に合わせてカスタマイズが可能です。文房具はもちろん、アクセサリーや薬、化粧品小物など、細々としたものを定位置に収め、デスクの上をすっきりと整頓できます。
必要なもの
廃材・身の回り品
- お菓子の空き箱(中身が銀紙などでコーティングされていないもの推奨):引き出し部分として使用します。同じくらいのサイズでいくつかあると作りやすいです。
- 厚紙(段ボールの切れ端、丈夫な紙箱の分解したものなど):本体の外枠や補強に使用します。ある程度の硬さがあるものが適しています。
- 不要な紙、布、包装紙など:完成品の装飾や補強に使います。
工具・材料
- カッターナイフ:厚紙や箱をカットする際に使用します。新しい刃を使うとより安全かつきれいに切れます。
- カッターマット:作業台を保護します。
- 金属製または厚手の定規:カッターを使う際に、ガイドとして安全に利用できます。
- 鉛筆:カット線や折り線を引くのに使います。
- はさみ:紙などを切るのに使用します。
- 木工用接着剤:紙や段ボールの接着に適しています。
- 粘着テープ(養生テープやマスキングテープなど):仮止めや補強に使います。
- お好みで装飾用の紙、布、塗料など
- 引き出しの取っ手になるもの:ビーズ、ボタン、革の切れ端、太めの糸など、お好みで選びます。
作成手順
ステップ1:材料の準備と箱の選定
- 使用するお菓子の空き箱を選びます。引き出しとして使いたいもののサイズに合うか確認してください。
- 箱の不要な部分(蓋や耳など)をカッターやはさみで切り取り、引き出しの形に整えます。箱の強度を高めるため、内側に厚紙を貼って補強することも考慮します。
- 本体の外枠に使用する厚紙を用意します。引き出しにする箱がぴったり収まるサイズになるよう、鉛筆と定規で型紙を作り、カッターで正確にカットします。
ステップ2:本体(外枠)の作成
- カットした厚紙を、引き出しとなる箱の数や配置に合わせて組み立てます。複数の引き出しを並べる場合は、間に仕切りが必要になることもあります。
- 接着剤とテープを使って、本体の箱状になる部分をしっかりと固定します。直角が出るように注意しながら作業を進めてください。
- 接着剤が完全に乾くまで、クリップや重しなどで固定して待ちます。
ステップ3:引き出しの作成
- ステップ1で準備した空き箱の形を最終調整します。本体の内寸に収まるか、スムーズに出し入れできるかを確認しながら、必要に応じてカットや折り込みを行います。
- 引き出しの内側や外側を、別の厚紙や不要な紙で補強します。特に底や角は傷みやすいため、しっかりと補強することをお勧めします。
- 引き出しの前板にお好みで装飾を施します。装飾用の紙や布を貼る、色を塗るなど、本体の雰囲気に合わせると統一感が出ます。
- 引き出しの取っ手を取り付けます。前板に穴を開けてボタンを通す、接着剤でビーズを貼り付けるなど、取り付けたい取っ手に合わせた方法を選んでください。
ステップ4:組み立てと仕上げ
- 本体の接着剤が完全に乾いたら、引き出しを本体に差し込んでみます。
- 引き出しの出し入れがスムーズか確認します。もし引っかかる場合は、本体の内側や引き出しの外側で干渉している部分を調整します。本体の内側に滑りを良くするためのテープ(幅広のマスキングテープなど)を貼るのも有効です。
- 全体の強度を高めるため、本体や引き出しの外側全体に装飾用の紙や布を貼り付け、見た目を整えると共に補強を行います。角など剥がれやすい部分は、再度しっかりと接着剤で固定します。
- 接着剤が完全に乾けば完成です。
(図解イメージ:本体の展開図、引き出しの箱を組み立てる様子、引き出しを本体に差し込む様子、完成形)
DIYを成功させるためのポイントと注意点
- 採寸は正確に: 本体と引き出しのサイズは正確に測りましょう。特に本体の内寸と引き出しの外寸は、引き出しがスムーズに出し入れできるかに大きく影響します。
- カッターの使用: カッターを使う際は、必ずカッターマットを敷き、金属製の定規をガイドにしましょう。指を添える際は刃の進行方向に置かないなど、安全には十分配慮してください。
- 接着剤の乾燥: 接着剤は完全に乾かすことが重要です。乾燥が不十分だと強度が落ちたり、形が歪んだりする原因となります。パッケージに記載された乾燥時間を参考にしてください。
- 補強をしっかりと: 紙や薄い箱だけでは強度が不足しがちです。引き出しの底や本体の角など、負荷がかかりやすい部分は厚紙でしっかりと補強することをお勧めします。
環境に配慮した選択
このDIYでは、廃材を有効活用すること自体が環境への配慮につながります。さらに、使用する接着剤や塗料を選ぶ際に、以下のような点を考慮することも可能です。
- 接着剤: ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)の含有量が少ない、あるいは含まないタイプの木工用接着剤を選ぶ。天然由来成分を含む接着剤も選択肢の一つです。
- 塗料: 水性塗料や自然塗料など、シンナーを使用しない環境負荷の少ない塗料を選ぶ。アクリル絵の具なども比較的安全に使用できます。
完成品の活用例とアレンジ
完成したミニ引き出し収納は、アイデア次第で様々な用途に活用できます。
- デスク周り: ペン、クリップ、消しゴム、付箋、USBメモリ、充電ケーブルなどの整理に。
- ドレッサー周り: アクセサリー、ヘアピン、ゴム、小さな化粧品、綿棒などの収納に。
- リビング: リモコン、眼鏡、薬、文具などの一時置き場として。
- キッチン: ティーバッグ、スティックコーヒー、クリップなどの収納に。
また、引き出しの数を増やして多段にしたり、横に連結させてワイドな収納にしたりすることも可能です。外側に貼る紙や布の柄を変えるだけで、部屋の雰囲気に合わせたデザインにアレンジできます。
まとめ
お菓子の空き箱や厚紙を使ったミニ引き出し収納のDIYは、身近な廃材から実用的でオリジナリティのあるアイテムを生み出す楽しいプロセスです。ごみとして捨てられるはずだったものが、少し手を加えるだけで日々の暮らしを便利にする道具に生まれ変わります。
このDIYを通じて、普段何気なく捨てているものの中に、まだ活用できる可能性が秘められていることに気づいていただければ幸いです。ぜひ、ご自身のデスク周りに合わせて、世界に一つだけのミニ引き出し収納作りに挑戦してみてください。廃材を活用する創造的な活動は、持続可能なライフスタイルへの第一歩となるでしょう。